松戸市 子どもを「性犯罪加害者」にしないために大人がすべきこと
子どもの頃、アルコールや薬物、タバコの危険性について教育を受けた経験のある人は多いだろう。交通安全教育は一般的だし、免許を取得する際には事故を起こさないための技術や心得を叩き込まれる。一方で、「人を性的に傷つけないための教育」を受けたことがある人はどれほどいるだろうか。実際に性犯罪加害者は世の中にいる。加害者にならないための予防教育は、果たして可能なのか。(取材・文/小川たまか)
● 性暴力に関する教育は タブーなのか
5月に報じられた、新潟県の小学生誘拐殺人事件。また、昨年の千葉県松戸市で起こった事件については、現在も裁判が続いている。こういったニュースが報じられるたび、どのように子どもを守ることができるのかが議論になる。ネット上でも、子どもを持つ親たちから不安の声が漏れた。一方で一部の保護者からは、「子どもが加害者にならないために親ができることはあるのか」といった疑問も見られた。
ある女性は子どもの頃から、何度も性被害に遭っていた。けれど、義務教育でもそれ以降でも、子どもを狙う性犯罪があることや、被害に遭ったときに誰に相談すればいいのかを教えてくれる人はいなかった。
彼女から、こんな風に言われたことがある。
「10代の頃、『友達や先輩から薬物をやってみない?と誘われたらどうやって断ればいいか』という授業を受けたことが何度もありました。お酒やタバコはダメっていう教育もあった。でも私の場合、薬物やアルコールに誘われたことは一度もありませんでした。強制わいせつやストーカーなど、性被害には何度も遭っていたのに、それについての教育は何もなかったことが、今でも変だなと思っています」
さらに言えば、薬物やアルコールについての依存の可能性は子どもにも教えるし、ふとした機会に「やってみたくなる」瞬間があることを前提に予防教育をする。
その一方で、「性犯罪加害者になる可能性がある」ことや、「同意なく人に触ってはダメ」と教えることはない。
そんなの当たり前だから教えないとか、教えたってどうせやるヤツはやる、という意見もあるかもしれない。しかしもし、一次予防としての教育が少しでも予備軍を減らすことにつながるのであれば、対策として試したいところだ。どのような一次予防が考えられるか。専門家2人に話を聞いた。
● 強制性交 知り合いからの被害が9割
性犯罪には、知り合いによる被害と、そうではない相手からの被害がある。今回は、知り合いに対して性暴力を行ってしまう場合と、まったく知らない相手に性暴力を行う場合によって、必要な「教育」はやや異なるのではないかと仮定して、話を聞いた。
一般的に性犯罪は「見知らぬ相手からの被害」と想像されがちだが、例えば「強制性交等罪(旧・強姦罪)」にあたる行為の場合、加害者が「まったく知らない人」だった割合は1割に過ぎなかったという調査がある(内閣府「男女間における暴力に関する調査」平成29年度調査)。同調査では、女性の約13人に1人、男性の約67人に1人が「無理やり性交等をされた経験がある」と答えている。
知り合いの間で起こる性暴力とは、例えば、配偶者やパートナー(元配偶者、元パートナー)からの被害。また、職場の関係者や友人、親、きょうだい、親戚など。加害者側は、「同意があった」「相手もその気だった」と思い込んでいる場合も多い。
筆者がこれまでに被害者に取材したケースでも、特に強制性交については、知り合いからの被害が多いという印象がある。「仕事の話がしたい」と誘い出されて被害に遭ったり、友達の恋人に相談があると呼び出されて被害に遭ったケースもあった。また、別れ話を切り出した際に、相手から「最後にセックスさせろ」と言われるようなケースもあった。
本日、松戸市六実自宅より依頼を受け、お伺い、車椅子にて
松戸市栗ヶ沢旭神経内科リハビリテーション病院に
通院治療をされ戻りました。